ただの腰痛だと思っていても、なかなか痛みが改善しないときって、
もしかすると「癌」なのでは?と不安な気持ちになりますよね。
実際、多くの腰痛患者さんの施術に携わっている、神戸市住吉鍼灸院・接骨院においても、このような不安を口にされる方は少なくありません。
本ページでは、特に腰痛で接骨院に通われている人で、長期間痛みがひかずに癌を含めた悪い病気を疑っている人へ向けた内容となっています。
よろしければ最後までご覧ください。
腰痛で接骨院に来院される方で、実は癌だったケースは稀ですがあります。
実際、わたしが担当したケースでは、60代の女性が腰痛で通院されていましたが、数回の施術でも症状の緩和がまったく見られなかったため、整形外科の受診を促した結果、癌の骨転移がみられるというケースがあります。
その他では、実際に当院での確認はできていませんが、一般的に以下のような癌において腰痛の症状が見られる場合があると言われています。
前立腺がんは、男性特有のがんで、初期には自覚症状が乏しいことが多いですが、進行すると腰痛が現れることがあります。
これは、前立腺の位置が骨盤に近く、がんが骨盤周囲や腰椎に転移しやすいためです。特に背骨への転移は比較的早期から起こることもあり、原因不明の腰痛が続く場合、泌尿器科での精密検査が必要です。尿が出にくい・頻尿・血尿といった泌尿器症状を伴うこともあります。
膵臓がんは、初期症状がほとんどなく「サイレントキラー」とも呼ばれていますが、背中の奥の鈍痛や腰痛として症状が現れることがあります。
特に膵体部〜尾部にできたがんは、後腹膜神経叢に浸潤することで腰背部痛を引き起こす傾向があります。胃の不快感や食欲不振、体重減少などを伴うケースも多く、慢性的な腰背部痛が消化器症状と並行して続く場合は、精密検査が必要となります。
腎がんは沈黙のがんですが、腫瘍が腎包膜を圧迫したり、後腹膜への浸潤が起きると腰痛の症状が出ることがあります。
特に片側に鈍い腰痛や側腹部痛として出現し、血尿や腹部のしこりを伴う場合は注意が必要です。尿路系の異常と腰痛が併発するケースでは、単なる腰の使いすぎと誤解されることもあるため、見逃されやすいがんのひとつです。
婦人科系の癌は腰痛を直接引き起こすことは少ないですが、比較的早期から骨転移を起こす傾向があり、とくに脊椎・骨盤への転移によって腰痛が出現することがあります。
女性において、原因不明の腰痛が長期間続く場合、乳がん既往やホルモン関連疾患のチェックが必要です。骨転移に伴う腰痛は、安静にしても改善しない特徴があり、夜間痛や骨折リスクにも注意が必要です。
残念ながら、接骨院で腰痛と癌を確実に見分けることはできません。
実際、整形外科の先生方の話を聞くと、接骨院やマッサージ院へ腰痛のお悩みで通われていた患者さんが、なかなか治らないからと整形外科を受診したところ癌が判明したというケースは稀にあるという話を聞きます。
ここで大切なことは、接骨院では癌を見分けることができませんが、疑うことはできます。
実際、当院においては腰痛でお越しの患者様に対して、医療機関の受診を促すケースは多々あります。
もちろん、検査の結果何も異常がないケースのほうが圧倒的に多く、結果的に取り越し苦労になることのほうが多いですが、あらゆるケースを想定して日々の施術にあたっています。
しかし、整骨院のなかには、そのようなケースを想定せずに患者様を抱え込んでしまう施設も存在するという声を耳にします。
接骨院が腰痛と癌を確実に見分けることは不可能です。
そして、癌の想定をせずに永続的に整骨院への通院を促す施設が存在することも、残念ながら事実です。
そんななかで、当院(接骨院)として、患者様へ伝えたいことは、少しでも不安な気持ちや、癌を疑う気持ちでいるならば、医療機関を受診してください。
なかには、接骨院へ通院している最中に医療機関を受診すると角が立つという配慮から医療機関の受診を躊躇される方もいるようです。しかし、そんな配慮は必要ありません。ご自身の体が最優先です。
本来であれば、接骨院側が疑いを持ち整形外科への受診促すべきなのですが、100%そのような対応を取れる保証がないなかでは、患者様ご自身に行動をとっていただく他ありません。
たかが腰痛でも、最悪のケースを想定することは悪いことではありません。取り越し苦労で済めば御の字。そのような気持ちで、接骨院へ通院中でも、おかしいと思ったときには医療機関を受診しましょう。